OSAKA
1
大阪・淀屋橋エリア

OSAKA 大阪・淀屋橋エリア 大小島 真木 Maki Ohkojima

PROJECT

108 ART PROJECT の第一弾のアーティストは、ポーランドやインドでの滞在制作を経てフランスの環境調査船でのプロジェクトにも参加した1987 年生まれの大小島真木。
国内外で作品を精力的に発表する大小島が、大阪の仮囲いに巨大な鯨を泳がせました。

大阪府大阪市中央区北浜3丁目5-29
日本生命淀屋橋ビル

CONCEPT

「いのちを紡ぐ、未来への懸け橋」

数年前、私は海の上で大きな鯨の死骸を見た。生きている時は多くの命を食べていただろうその鯨が、その時、多くの命によって食べられ、海の中へと溶け込んでいこうとしていた。途方もないほどの永い時間、繰り返されてきたことだ。まるで「生命のスープ」だと思った。その生命の円環こそが海の豊かさだと知った。
鳥葬ろいう風習を持つ地域があると聞いた。大地と空に挟まれて生きるその地の人々は、死ぬと大地と空のあいだを飛翔する鳥によって食され、肉は空へ、骨は大地へかえされていくのだという。その話を聞いて、私はまるで足下の大地にまなざされているような気持ちになった。ふと視線を上げると空からは鳥たちが見下ろしていた。その生命の円環こそが大地の逞しさだと知った。

淀屋橋――ここからは豊かな海もたくましい大地も見えない。人と人が作り出したもので溢れかえる都市を歩いていると、つい海や大地のことを忘れてしまいそうになる。自分の足だけで歩いているような錯覚に陥ってしまいそうになる。だけど、私たちの暮らしは海や大地の支えなしには成り立たない。いや、くらしどころか、私たちの呼吸している酸素は、半分は海で、半分は大地で作られている。酸素をつくりだしているのも生命たちだ。大きく息を吸い込んでみる。その生命の円環によって私たちが生かされていることを知る。
きっと目に見えないだけで、アスファルトに隠されているだけで、ここにも海があり、大地がある。だから、鯨を泳がせてみようと思う。鳥たちを舞わせてみようと思う。

天を仰げば見渡す限りの蒼碧。ここは海と大地の交わるトポスだ。鯨よ、鳥よ。僕たちの骨で、海の歌を、大地の歌を、鳴らして。

PROFILE

大小島 真木 Maki Ohkojima

大小島 真木 Maki Ohkojima

描くことを通じて、鳥や森、菌、鉱物、猿など他者の視野を自身に内在化し、物語ることを追求している。作品とは、思考を少しずらしたり、視野を少し変えて みせたりすることの出来る“装置”のようなものであると考え、日々制作中。インド、ポーランド、中国、メキシコ、フランスなどで滞在制作。2014 年にVOCA 奨励賞を受賞する。2017 年にはアニエスベーが支援するTara Ocean 財団が率いる科学探査船タラ号太平洋プロジェクトに参加。

http://www.ohkojima.com

    「L’OEil de la Baleine」パリ水族館シネアクア (パリ、フランス)
    撮影:セルジュ・コチンスキー

    「L’OEil de la Baleine」パリ水族館シネアクア (パリ、フランス)
    撮影:セルジュ・コチンスキー

CREDIT